Future World
これからの時代をいかに捉えるか

国連推計によると2050年に世界人口は97億人まで増加。都市化の潮流は止まらず全人口の72%が都市部に集中する。そんな未来の中、世界中の誰もが安全・安心・快適な住環境を手に入れる為、我々がパートナーとの共創を通じ、立ち向かうべき課題や新たなチャレンジがあると考える。

我々の考える課題の一つ目は、住開発(建設)における環境負荷低減である。増大する世界の住宅・建設需要に対し、CO2排出量増加を最小限に抑える取り組みは必要不可欠である。自然素材の利用拡大や建設物の長寿命化等、建設プロセスのあらゆる過程において人類の智恵を絞る必要がある。

二つ目は住開発における作業現場の環境改善である。一定の経験やスキルを有する人材確保は難しくなっており、この先の住宅供給においてボトルネックになる可能性がある。自動化・機械化の促進はもとより、従事者が安全・安心・快適な現場で働く為のソリューションを創造していくことが重要である。

三つ目が、住人のwell-being向上である。かつて自然素材=木材は、鉄等の金属と比較し、耐久性や耐火性で劣ると考えられてきた。近年、技術革新により建築材としての木材のポテンシャルが著しく向上しており、人々がより多くの自然素材に囲まれ、温もりのある豊かな生活を送ることが可能になるだろう。

Vision
Co-Creation(共創)の目的は何か

住開発における環境負荷低減に向け、共創パートナーと共に、自然素材(木材等)を中心とした持続可能性の高い素材、またそれを量産する為の製造設備の導入加速を目指したい。また、建築のみならず、住宅のスマートホーム化等、川上から川下に至るまでカーボンニュートラル達成に向けたエネルギー効率向上に取り組みたい。

住開発における作業現場の環境改善の実現に向け、共創パートナーと共に、当社が油圧機器で培った「動かす」ノウハウを活用し、住開発の作業に関わるあらゆる人が、安全・安心かつ、より人間らしい価値創造や貢献に従事できるソリューションを提供する。

住人が自然素材に囲まれ豊かな住環境を享受できる世界を目指し、共創パートナーと共に、川下の木材利活用やアップサイクルの拡大を通じ、川上にある林業の産業持続可能性をも高め、バリューチェーンを通して自然資本の循環に係る豊かなエコシステムを創造する。

Intellectual Capital
未来に向けて活用可能な潜在力は何か

1. 世界に広がる顧客&サプライヤーネットワーク

我々は世界中の建設機械、産業機械、船舶機械分野のお客様へ当社製品を提供できるグローバルなサプライチェーンと販売店網を有しており、将来革新を生む可能性を秘めた新たなアイディアを、具体的なソリューションとして世界中に普及させる体制が整っている。

2. 幅広い産業機械の製造の実績とノウハウ

発電所、製鉄所、プレス機など、幅広い産業機械分野で油圧を用いた高精度な「動かす」技術ノウハウを有している。例えば、建築新素材の製造や加工に際し、ハードウェアの観点で解決策を提供できる。

3. ロボティクスに関するナレッジ

我々のコア技術である油圧システムの設計技術とロボットディビジョンとのシナジー効果によって電油アクチュエータを開発した。このシステムはこれまでの油圧システムの適用先を超えた幅広い活用ができる。

4. 世界最高レベルの品質を安定供給する量産技術

世界中の大手建設機械、農業機械メーカーの厳しい要求水準をクリアした上で、日々変化する需要数に柔軟に生産量を調整し、安定供給してきた。建築新素材やそれを製造する生産設備を、世界に広く普及させる解決策を提案できる。

5. CLT材の製造等に必要な油圧技術の保有

木造高層建築の今後の普及において有望視されるCLT材製造には、プレス工程が必要となる。この工程における製品品質の向上や、コスト低減について、我々の有する油圧プレスシステムの設計・製造技術に基づくソリューションを提供できる。

6. 機械・電気技術のプロフェッショナルチーム

機械分野と電気分野の両方の専門性を有した技術スタッフがおり、技術課題に対し電気的な指令から機械的に動かす領域まで一気通貫した設計対応ができる。

7. 水素燃料のコントロールに関する知見と実績

海外大手自動車メーカーへ水素燃料電池車向け製品を供給している。高圧水素ガスを扱う技術ノウハウを有しており、次世代住環境のエネルギー源として期待される水素燃料活用における解決策が提案できる。

8. 波力発電に関する知見と実績

押しては返す海上の波の力を用いて、それを電気エネルギーに変換する波力発電装置の開発に取り組んでいる。再生可能エネルギーを用いた居住エコシステムの構築に貢献できる。

9. 工場や自社ビルでのPoCの機会提供

川崎重工グループとして国内外に多数の工場やオフィスビルを所有しており、住宅やビル、工場関連の新技術や新素材をアーリーアダプターとしていち早く試験的に導入することができる。

Potential Partner
どのようなパートナーとCo-Creation(共創)したいか?

  • 住開発において、新素材や新技術の開発&普及を目指すプレーヤー(CLT材等の自然素材や再生可能な素材を用いた建材関連の企業やベンチャー、研究機関、等)
  • 住開発において、よりサステナビリティの高い住宅・ビル等の建築物の普及拡大を目指すプレーヤー(木造建築物等の設計・施工を行う建設業やデベロッパー、等)
  • 住開発において、安全・安心な建設現場や労働環境を実現する為の自動化・機械化・デジタル化のソリューション提供を目指すプレーヤー(Con-tech系ベンチャー、大手ゼネコン、等)
  • 林業や製材等、自然資本の持続可能な利活用の実現にかかわるプレーヤー(林業事業者、製材事業者、建材業者、バイオマス事業者、等)
  • その他、持続可能な住開発の実現を目指すプレーヤー全般(政府機関、自治体、大学、林業組合、エネルギー系企業やベンチャー等)

Asset
チャレンジオーナーによる提供アセット

世界に広がる顧客&サプライヤーネットワーク

世界に広がる顧客&サプライヤーネットワーク

建設機械、産業機械、船舶機械分野において、世界中のお客様に長年に渡り製品&ソリューション提供を通じ、信頼関係を築いてきた。また、これを実現する為の油圧機器の設計・SI・販売で密に連携してきたサプライチェーンや販売店網を有する。住開発における共創パートナーの革新的な技術やアイディアをハードウェアに落とし込み、具体的ソリューションとして世界に普及させる解決策を提案できる。

幅広い産業機械の製造実績とノウハウ

幅広い産業機械の製造実績とノウハウ

産業機械分野では電力、製鉄、鍛圧等、幅広い領域で高精度な速度・位置・圧力制御を行う高圧大容量油圧システムの納入を手掛けた実績を有する。一次産業で活用される設備においてもこれらのナレッジを活用して、高精度な制御システムの構築に貢献できる。

CLT材の製造等に必要な油圧技術の保有

CLT材の製造等に必要な油圧技術の保有

今後の木造高層建築の普及に有望視されているCLT材の製造には、動力源を油圧機器とするプレス機械が必要となる。新たな建設資材の量産、製造において、製造品質の向上や、コスト低減に向け、ハードウェアの設計・製造のノウハウを提供できる。

世界最高レベルの品質を安定供給する量産技術

世界最高レベルの品質を安定供給する量産技術

世界中の大手建設機械、農業機械メーカーの厳しい要求水準をクリアし、日々変化するお客様の需要数に対して柔軟に生産量を調整し、高品質な製品を安定的に供給し続けてきた。これからの住開発に必要とされるサステナブルな建築資材やその製造に必要とされる機械を、安定した品質で大量生産に繋げ、広く普及させる為の解決策を提案できる。

機械・電気技術のプロフェッショナルチーム

機械・電気技術のプロフェッショナルチーム

機械工学、電気工学の両分野に専門性の高い人材を有し、高品質なソリューションを実現する高度な解析技術と制御技術を適用した機電一体の開発チームを組む事ができる。

  • 解析技術:動的挙動解析、FEM、CFD、等
  • 制御技術:ソフトウエア、IoT対応、制御基板、等

森林機械分野に関する知見と実績

森林機械分野に関する知見と実績

ハーベスタやフォワーダに代表される森林機械の油圧システムには、機器メンテナンスが困難な過酷な作業環境下でも確実に動作する高い信頼性が求められる。当社の油圧機器は搭載アタッチメントの駆動・位置制御を行うポンプ、モータ、各種バルブを中心に、国内外の森林機械に広く採用されている。

電油アクチュエータの活用に関する知見と実績

電油アクチュエータの活用に関する知見と実績

近年、動力源となる油圧システムの設計・製造のみならず、電油アクチュエータの開発に取り組んでいる。この技術開発を最大限に活かし、油圧機器とデータを連携させた自動化やロボティクス化を追求することで、安全・安心な住開発の現場の実現に向けた提案ができる。

水素燃料のコントロールに関する知見と実績

水素燃料のコントロールに関する知見と実績

これまで手掛けてきた高圧ガス制御用バルブの知見を活かし、水素燃料電池車向け水素ガスタンク用バルブの開発に着手。現在、海外大手自動車メーカーへ製品を供給している。この製品開発を通じて、次世代住環境のエネルギー源として期待される水素燃料についての知見を有しており、将来の住宅のエネルギーマネジメントにおいて、共創パートナーと共に高圧水素ガスを用いたエネルギーサービスの提案ができると考える。

波力発電に関する知見と実績

波力発電に関する知見と実績

従来の油圧機器の設計・製造の知見を活かし、海上の波を油圧システムを用いて電気エネルギーに変換する装置の開発に取り組んでいる。この技術開発で得た知見を応用し、共創パートナーと共に再生可能エネルギーを用いたエネルギー地産地消型の居住エコシステムの構築に貢献できる。

工場や自社ビルでのPoCの機会提供

工場や自社ビルでのPoCの機会提供

川崎重工グループとして国内外に多数の工場やオフィスビルを所有しており、住宅やビル、工場関連の新技術や新素材をアーリーアダプターとしていち早く試験的に導入することができる。

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