Future World

これからの時代をいかに捉えるか

人類活動の規模拡大に伴い、深刻化する気候変動問題に対して、2015年のパリ協定をはじめ、全世界的に温室効果ガスを削減し、地球の持続可能性を維持しようとする動きが活発化している。

しかしながら、現状のままではパリ協定の目標達成には「ほど遠い」との国連発表もある中で、2030年の温室効果ガスの排出削減目標に対し、今後さらに各国で温室効果ガス削減幅を引き上げていくことが予想される。

その中で、世界中で炭素税の導入・引き上げなどの検討が進められつつあり、今後ますます企業活動においても脱炭素の取り組みが、ゴーイングコンサーンの視点から活発化していくと考えられる。

Vision

Co-Creation（共創）の目的は何か

脱炭素化を進め、地球の持続可能性を維持していく上で、重要となるのがクリーンエネルギーの活用である。

中でも、クリーンな上、世界中に存在し、多様な資源から調達可能な水素に注目が集まっており、水素の活用を通じて、例えば下記のような課題解決のアプローチが考えられる。

• これまで化石燃料を動力源としていた、モビリティデバイス・設備を燃料電池に動力転換
• 各設備に水素を安全・安定的に届けるためのインフラ基盤の整備

川崎重工では水素を製造・輸送・活用するための世界トップクラスの水素関連技術を保有しており、特に水素を活用する分野で我々の技術を活用し、持続可能なエネルギーエコシステムの構築に挑戦したい。

Intellectual Capital

未来に向けて活用可能な潜在力は何か

• FCV用水素ガスバルブの開発で培った高圧水素ガス（70MPa）に対応する高精度なガスコントロール技術と生産技術
• 100年の実績を持つ当社油圧技術をベースとして、建設機械や産業機械、舶用機械等の様々な設備・モビリティの動きを“制御“してきた実績に基づく、省エネ・制御システム設計のナレッジ
• 波のエネルギーを利用した発電設備である波力発電システムで培った、自然エネルギーを油圧を介して電気エネルギーに変換する油圧・電気制御技術とその開発実績

Potential Partner

どのようなパートナーとCo-Creation（共創）したいか？

• 高圧水素ガスを活用し、既存の化石燃料を動力源とする設備・製品からの脱却を目指したいプレイヤー
• 燃料電池システムの製造に挑戦している、あるいはこれから挑戦したいと考えているプレイヤー
• 現在活用している水素ガスをさらに高圧化し、製品機能強化や業務効率化に挑戦したいプレイヤー
• この他、上述の目的・課題に対して共感し、水素活用を通じてサステナブルなエネルギー社会のためのソリューションを共創したいあらゆるパートナーを求める。

Asset

チャレンジオーナーによる提供アセット

高圧水素ガスの高精度なコントロール技術

長年にわたる油圧機器の開発・製造から培った流体制御技術をベースに、燃料電池車用高圧ガスバルブの開発・量産に成功している。超高圧の水素ガス(70MPa)を所定の圧力に一気に減圧・保持できる高精度なコントロール技術を有しており、本技術は燃料電池システム内の高圧水素貯蔵システムをはじめ、高圧水素の制御を必要とする使用環境で貢献できる。

産業機械用油圧装置の納入実績を通した制御システム設計のナレッジ

電力、製鉄、鍛圧などの産業機械用として幅広い領域で手掛けてきた油圧システムの納入実績を通して、当社はアクチュエータを高精度に速度・位置・圧力制御するナレッジを有している。高圧水素ガス設備においてもこれらのナレッジを活用して、高性能・高精度・高効率で多様なシステムの構築に貢献できる。

クリーンエネルギーを製造する波力発電システムの開発実績

当社は波のエネルギーを油圧力を介して電気エネルギーに変換する波力発電システムを開発した。化石燃料に頼らないエネルギー製造技術の立証に成功しており、水素を活用したクリーンエネルギーによる設備・製品の実現にも貢献できると考えている。

機械・電気技術のプロフェッショナルチーム

機械工学、電気工学の両分野に専門性の高い人材を有し、機械に対する電気的な指令からあらゆるものを動かすための機械的なアクチュエータ設計まで機電一体で一貫した開発チームを組むことができる。また、製品の高信頼性と高性能化を支える高度な解析技術と制御技術を有しており、これらの技術を活用することで高圧水素や油圧システムの高精度な制御を実現している。

• 解析技術：動的挙動解析、FEM、CFD、等
• 制御技術：ソフトウエア、IoT対応、制御基板、等

世界に広がる顧客&サプライヤーネットワーク

各種油圧製品を中心に、世界中のお客様に長年に渡り製品&ソリューション提供を通じ、信頼関係を築いてきた。また、これらを実現する為の設計・SI・販売で密に連携してきたサプライチェーンや販売店網を国内外に有する。世界に通用する“Kawasaki”ブランドを活かし、水素活用によるサステナブルなエネルギー社会の実現を牽引していく。